GLOBALGAP(グローバルギャップ)、Option 1とOption 2の違いについて
2009.01.07
1997年に欧州の小売団体が開発した旧EUREPGAP(現在のGLOBALGAP)は、①食の安全、②環境保全、③労働者の健康、安全、福祉を主な目的とする農場管理に関する取り決めです。その適合管理基準(CPCC)は、100%の達成が求められる 上位の項目(Major Must)と、95%の達成が求められる下位の項目(Minor Must)、そして、審査はされるものの、達成度については一切要求されていない推奨項目(Recommendation)で構成されています。特長としては、Pre Farm Gate(農場を出るまでに)という概念のもと、貯蔵及び出荷に関しては関与しておらず、GLOBALGAPマーク(ロゴ)を小売りの段階では表示することは認められていません。
この論拠となるのは、General Regulations IFA 9.2.2 (iv)において、ロゴの利用に関する規定が明記されており、まず、ロゴの利用が認められているのは、小売り、供給側、そしてアソシエイト法人会員の三つのみであり、認証取得生産者による利用は原則認められていないからです。そのため、GAPと流通業者に課せられたBRCやIFS、Q&FなどのGMP(適正製造規範)と合わさることで欧州の流通制度が確立されており、小売企業による仕入れの基準として幅広く普及しています。いま現在、ヨーロッパを流通する農産物の約八割をカバーし、「食の安全」を担保する最低限の手段であり、ヨーロッパに農産物を輸出するための通行手形として機能し、リスクが最大限排除された農産物の流通を目指すものとなっています。
その認証取得区分は四つあり、
・Option 1(個別農家によるGLOBALGAPの認証取得)
・Option 2(団体農家によるGLOBALGAPの認証取得)
・Option 3(個別農家によるベンチマーキング・スキームの認証取得)
・Option 4(団体農家によるベンチマーキング・スキームの認証取得)
となっており、日本国内ではこのOption 3および4は日本GAP協会が開発したJGAPとなっていましたが、GLOBALGAPの改版に伴い、現在、同等性認証については一時停止中となっています。そこで、このGLOBALGAPの認証取得となるOption 1および2の違いについて説明したいと思います。
Option 1、2の審査を通過した生産者、生産者グループは認証機関からGLOBALGAP認証取得に関する証明書が発行されることになります。その手順として、
1. 第三者認証機関から年に一度の監査が入る
2. GLOBALGAP加盟団体との商取引については必須の認証となる
3. Option 2は、団体事務局の審査と団体会員総数の平方根数が農業審査の対象となる
①についてはISO Guide 65で「第三者認証機関」に関する厳格な取り決めがあり、指導・コンサルティングを行うことはできず、認証機関の役割はあくまでも利害関係のない第三者としての監査行為に限定されます。②については、昨今のGlobalGAPのデファクトスタンダード化の動きを受けて、ヨーロッパのみならず、米国ウォルマート社や米国マクドナルド本社においても必須の認証となってきており、必ずしもGLOBALGAP加盟団体のみ生産側に対してGLOBALGAPを要求するということはなくなりつつあります。そして、最終③ですが、GAPは販売促進上の一つのツールにしか過ぎず、国際的な流れとして、輸出強化の観点から物量確保の必要性が高まっており、特にアフリカや南米などの輸出国は、Option 2でGLOBALGAPを認証取得するケースが増えてきています。その理由としては、Option 1とは異なり、審査対象農場数が全体の平方根数に抑えれるため(小数点切り上げ)、認証コストそのものの抑制にも繋がるからです。
また、Option 2の特徴ですが、品質マネジメントシステム(QMS)を設置した生産者グループの認証取得が要求されており、団体事務局は各生産者と個別の契約を締結する必要があります。そして、それは
1. 個別生産者や農業生産法人が複数の農場を保有する「マルチ・サイト」とは異なり、生産に関する複数の法的主体をQMSで管理する
2. Option 1で発生する自己審査員に加えて、団体事務局は内部監査員を設ける必要がある
②については、団体内部監査員に対する要求事項がGLOBALGAPの一般規則に極めて厳格に定義されており、Option 1では多くの比重を占めていたCPCC(適合管理基準)の重要性は薄れ、団体事務局が行う主な作業項目として、
・農場管理マニュアルの策定
・品質マネジメントシステム(QMS)の確立
・導入QMSの指定箇所の策定
・適合管理基準未達成個所から発生する危害要因の分析(リスク査定手法)
・土壌、水質、残留農薬検査システムの開発
・農薬、肥料調合、残余農業処理システムの開発
・団体内部資料の策定とその管理手法の確立
・自己審査制度の確立と団体内部監査員の設置
・団体のトレーサビリティ・システムの構築
などがあり、適合管理基準(CPCC)のチェックリストへの照会のみで完結するOption 1とは性質的に異なったGLOBALGAPの認証取得となっており、これが農産物の輸出競争力を高める一つの要因になっています。






